2012年10月4日木曜日

ノックすると開く扉がある

ここ数週間、折にふれて私をたずねてくる生徒がいます。3年生の彼女は、将来養護教諭になりたいという夢を持っていて、ある大学のある学部にどうしても入学したいのだそうです。

生徒:「先生、私、将来は養護教諭になりたいんですけど、○○大学の△△学部で勉強すれば本当に私が思っているような勉強ができるんでしょうか?」

私:「うーん、私は養護の先生の専門ではないし、その大学のことに詳しくないから、正確に解答できる自信は無いなぁ・・・。でも、本当に色々なことを知りたいと思ったら、その大学の入試広報部にお電話してみて、質問させて頂いたらどう?」

生徒:「え?そんなことしていいんですか?」

私:「いいと思うよ。だって、xxさん、その大学の学部のこと、もっとよく知りたいんだよね?だからそのことをきちんとお伝えしてご連絡してみたら失礼にはあたらないと思うよ。」

生徒:「(目を輝かせて)そっか!なんか先生と話していたら、未来の道が開けてきた気がします。やってみます。」

・・・と言って、数日が過ぎました。彼女はどうしたかなぁ?と思っていたところ、彼女がやってきました。

生徒:「先生、電話しました!そしたら、x月x日に入試広報の先生が時間をつくってくださるって!」

私:「やったね!xxさんの思いが通じたんだよ!」

生徒:「でも先生、何を質問すればいいですか?」

私:「うーん、それは私は分からないなぁ。それは、xxさんがその大学のパンフレットやホームページを見たりして、よく分からないと思ったところや、聞いてみたいと思ったこと、そういうことを聞いたらいいと思うよ。だから私ではその質問を作れない。

でね、せっかくお忙しい広報の方にお時間を頂くのだから、ホームページやパンフレットを読めばすぐに分かるような内容のことを質問したりしてはダメよ。それは前提として全て読んでいて、さらに知りたいと思うこと、それをきちんと箇条書きにしたりしてまとめて、それで大学にお邪魔するといいのではないかなと思う。」

生徒:「えー、そんなこと、するんですか?」

私:「はい。私も、どなたかにお時間を頂いてお目にかかるときは、いつも事前に質問を考えてノートにまとめて出かけます。」

生徒:「え?先生もそうしてるんですか?そっか・・・、じゃ、私頑張ります!先生、見ててください。また報告に来ます。」

それからまた数日が経ち、今日の午後に

生徒:「先生、行ってきました!」

私:「どうだった???」

生徒:「それが、広報の方にお話を1時間うかがっただけじゃなくて、その後さらに准教授の先生にも1時間お時間を頂いて、詳しい大学の学習内容なんかも教えていただくことができたんです!とても理解が深まったし、本当に行って良かったです。広報の方も、"こんなに熱心な生徒さんは珍しい"って言って下さいました。」

私:「(感動して)良かったね~!閉まっているドアでもノックしたら開くことがある、ということを今回xxさんは実感できたよね?!」

生徒:「はい!すごく良い経験でした。」

私:「xxさんは、自分から一歩前に出て行動する力を持っていて、今回のことがそれを示していると思うの。今回、大学の先生にお話をうかがったように、これからの人生を歩んでいくときに、自分から何か一歩やってみる、行動してみる、いつもそういう生き方をし続けて欲しいと思うな。そうしたら、人生がどんどん豊かに広がりを持っていくようになると思う!」

生徒:「はい!分かりました!」
と言って彼女は元気に帰っていきました。何事も"そんなこと、していいのか分からない"とか"面倒だからいいや"などと思わないで、"もしかしたら、可能になるかもしれない"と思って自分から行動すること - 生徒たちにはそのような生き方をぜひ、身につけて欲しいと思います。そして彼女たちの人生を自力で豊かに切り開いて行って欲しいと願っています。