先週のことです。秋に販売される商品開発プロジェクトに携わっている2年生たちが私のもとを突然たずねて来ました。
「あれ?今日提出の宿題とか出していないし、みんなに集まってとも声かけていないよね?」
と私が不思議に思いながら聞いてみると・・・
「先生、そうじゃなくてー。私たち、先生にお土産買ってきたんだって。修学旅行の。」
と言って、生徒たちからのお土産を持ってきてくれました。感動!なんて優しい生徒たちなのー、と思っていると、さらに彼女たちは
「ちなみに、先生、お世話になっているxx(企業の名前)の皆さんにも買ってきたんだ。」
と、商品開発でお世話になっている企業の方用のお土産も買ってきたことを教えてくれました。素晴らしい!と感動もひとしおだった私ですが、その後の生徒の言葉が・・・
「先生、これ。送っておいて!」
ここで我に返った私。
「せっかく準備までしたんだったら、最後送り届けるところまで自分たちでやり遂げなさい!」
といつの間にか仁王立ちになっていたのでした。というと、生徒たちが
「だってどうやって送ればいいか分からない・・・」
そこで私は言いました。
「あのね、宅急便というものがこの世の中にはあるわけです。それを使えば良いじゃない?あるいは郵便局に持っていくとか。」
というと
「うーん、あー」
など言っていましたが、
「何か言う時間があったら、その間に送る準備をし始める!」
と言って、生徒たちがどうするかを見ていました。すると、そのうちの一人の生徒が
「・・・うーんと、それじゃ、私ちょっとやってみる。」
と言って、
伝票を書きはじめました。
そして、お菓子を送るために、プチプチの梱包材なども事務所のお姉さんからもらったりして、準備しています。
私もそんな彼女の姿を見ながら
「あのね、お菓子だけポーンとお送りするのは、失礼でしょ?何かメッセージなどを中に入れたほうがいいと思う。」
など、ところどころでアドバイスしましたが、基本的には彼女達が自分達で動くことを期待しました。いろいろ時間がかかり、紆余曲折もあったようですが、無事に宅急便を発送。
数日後、企業の方々からお礼のメールが届きはじめました。そこで、その発送手続をした生徒に伝えました。
「企業の方からお礼のメールを頂いたので、みんなで読んでね。今回みんなでお土産を買ってきたのも素晴らしいし、頑張って自分達で送ったのも良かったと思う。でもxxさんはいつも自分一人で何かするときに頑張っているから、お友達にも一緒に協力してもらうことをこれからしていくと良いと思うの。」
すると彼女は
「あ、それ、M先生にも同じことを言われた。でも、みんな忙しいって言うから・・・」
とのことでしたが
「あのね、あなたも忙しいわけでしょ?みんな同じ高校生なんだから、そこは"みんなでやれば早いよ"とか言いながら、色々な人に力を貸してもらうことも、世の中に出てからは大切なことだと思うの。次にこういう機会があったら、ぜひ試してみて。」
と話しました。
とかく本校の教員も面倒見が良いので、生徒のために動いてしまいがちですが、生徒たちはこれから自分の力で社会で生きていく存在です。私は、彼女たちに高校生の頃から「自分で動く」ことを習慣にして欲しいと思っています。さらに、自分だけでなく周りの人と一緒に動く力 - 小さなきっかけでもこのような力を身につけて欲しいと思います。