今日はあるメディアの方からの取材がありました。
本校でこれまで取り組んできた商品開発についての取材ということで、直近の森永乳業さんとのアイスクリーム共同開発に参加した生徒にも取材がありました。
「このような商品開発を通じて学んだことで印象に残っているのはどのようなことですか?」
という記者の方の質問に対して生徒の答えた内容が強く心に残りました。
「どのような商品にするかのコンセプトを話し合うときに、グループの友達との意見がなかなかまとまらないで苦労しました。
でも、Aさんの意見のこの部分が良い、Bさんの意見はここが良い、とグループメンバーの意見の良いところをうまく活用することを学びました。」
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高校生でこういう意見が出てきたことに私は感動していました。
というのも、実は私自身が、企業で仕事をして(それも外資系の化粧品会社時代のことです)いた20代後半に、まさにこのようなことを経験していたからです。
当時、日本の市場を担当する商品開発担当だった私は、フランス本社の開発担当チームと意見がぶつかることが多く、非常に苦労していました。(日本人の化粧品に対する好みと、フランス人の好みは相当大きく異なっています。)その時に、本社の担当者の意見を100%否定しては物事は先に進まない、でも日本の消費者の意見も通したい - その間で、意見調整をどうしたらうまく進められるかを私は手探りで学んでいった経験があるのです。
のちに、その時の経験を大学院入試のエッセイで "positive compromise" (前向きな妥協) と書いたこともあったのですが、要するにお互いの良いところを活かしていく - それが仕事を進める上で大切だと気付いたのです。
それを16歳の生徒が既に感じていたことに驚きもし、また感動もしました。
若い生徒たちにも、大人と同じような経験を少しでも多くしてもらうことで、世の中で生き抜く力を育成して行きたいといつも思っていますが今日はさらにその思いを強くしました。
新しいプロジェクトも控えています。多くの生徒たちに社会のさまざまな方と接し、社会でこれから生きて行くうえで大切な力を身につけて欲しいと思っています。