2014年3月11日火曜日

あの日から3年

今日は3月11日です。東日本大震災から今日で3年となりました。

あの日も(今日もそうであるように)学校は3学期の期末試験の最終日でした。部活などで学校に残っていた生徒たち約120名は全員無事で、そのうち半数近くの生徒たちが本校で一晩過ごすこととなりました。学校は幸いインフラ(電気、水道、ガスなど)に問題がなく、先生たちの協力で温かいご飯まで準備することができました。そうして無事・安全に過ごすことができました。

そして学校ではほとんどテレビを見ていなかったので、東北がどのような惨状になっているのか、その日のうちには全く分かっていませんでした。

翌日。ようやく電車も動いたため、生徒たちが下校し、自らも自宅に戻ってそこで初めてテレビを見て、東北の大変な状況を知ることとなりました。想像を絶するほどの規模の津波が、一瞬にして尊い多くの方の生命を奪ってしまいました。

それから3年間。

本校でも生徒たちと支援の物資をお送りしたり、募金を行ったりしてきましたが、やはりときの経過とともに少しずつあの衝撃の記憶が薄れてきていることも事実です。

昨日私は、日本銀行仙台支店にいらした方から「東北経済の現状と課題」というお話をうかがいました。


現在、被災した東北地方では、公共投資(国が道路など公共のものを作るためにお金を使うこと)が震災前に比べて多くなっているものの、資材や人(実際に建築などの技術を持った人)が圧倒的に不足しているそうです。

そうした問題なども絡んで、3年経った今でもまだ復興が(当初想定していたような速さで)進んでいないところも多いとのこと。

また、仙台など一部の都市に人口が集中してしまっているなどの問題も生じているようです。

私たちはこうした東北経済の抱える問題に、どのように少しでもサポートができるのでしょうか。




また3年前の震災で大切な方を亡くされた方もいらっしゃると思います。そのような状況に直面したあと、どのように生きていくのか、いのちとは何か、そんなことも考えることも多かった3年だったのではないかとも思います。

先日、出版社の方から頂戴した本の中に

『高校生の「いのち」の授業』

という本がありました。推薦のことばの中で上智大学名誉教授のアルフォンス・デーケン先生が

「死をみつめることは、自分にいただいた『いのち』をどう大切に生き抜くかを考えることです」

とおっしゃっていました。今日この日にこそ、もう一度、あの日を経て生かしていただいている私たちがいかにその『いのち』を大切に生きていくか、そして東北への支援を忘れずに生きられるか、考え行動しつづけていきたいと思います。